Evernoteをクラウド型と書きましたが最近よく耳にするクラウドとは何かを説明しておきます。クラウドを直訳すれば雲でインターネットの事を指します。クラウドコンピューティングを略してクラウドと呼んでいますが、クラウドにはっきりした定義はないようで、通常クラウドサービス等と使われている場合はウェブサーバーと連携するサービスの事を指し、Evernoteもウェブサーバーと連携して動作します。
Evernoteがちょっと多機能なメモ帳程度ならわざわざ1ページ割いて紹介したりはしないのですが、Evernoteはとても自由度の高い使い方ができ、記録しておきたい情報をスムーズに保存して整理する事が出来るツールが付属しています。
まずEvernoteのクライアントソフトを起動すると右側にノートパネルというエディタがあり、ここに文書を書いたり画像を貼り付けたりする事が出来ます。作成したノートにはタグを付ける事ができ、そのタグで左パネルからノートを種類ごとに分類する事が出来るようになっています。
又、クライアントソフトをインストールしておくと標準でInternet ExplorerにWebクリッパーというツールが追加され、コマンドバーにあるボタンや右クリックから現在開いているページをEvernoteに取り込む事が出来ます。Firefoxユーザーであっても専用のアドオンから同様の機能を追加する事が可能。お気に入りに登録しておくのとEvernoteに取り込むのとの違いは、お気に入りの場合は登録したページそのものが消えてしまうと閲覧する事が出来なくなってしまいますが、Evernoteに取り込めばそのページがネット上から消えてしまっても後から見たい時にいつでも閲覧する事が出来ます。
ウェブページをEvernoteに取り込むとサイトによってデザインが大きく崩れてしまいますが、Evernoteのスクリーンキャプチャ機能はデスクトップに表示している画面をそのまま画像として保存する事が出来ます。標準では「Win」+「PrintScreen」キーの操作でキャプチャツールが起動し、キャプチャした画像は自動でノートに追加されます。
Evernoteで作成した文書や取り込んだサイトのページ、スクリーンキャプチャした画像のノートは単にローカルに保存されるだけでなくEvernoteのサーバーに自動で同期されます。サーバーに保存されているノートは別のPCで同期する事はもちろん、クライアントソフトをインストールしていないPCや携帯端末でもウェブブラウザでログインしてノートを閲覧する事が出来ます。
Evernoteは無料で使用出来るスタンダードと有料のプレミアムに分かれており、スタンダードユーザーは月の転送量が40MB、ノートに添付出来るファイルが画像/音声/PDFファイルに制限、左下に常時広告が挿入されます。プレミアムユーザーは転送量が月500MB、添付出来るファイルに制限無し、広告無しで月額5ドル、年額払いなら45ドルの料金の支払いが必要です。スタンダードユーザーの月40MBはかなり少ない印象ですがテキストと画像中心のノートなら使用頻度によっては40MBで十分だと思います。
(追記)12月17以降、無料のスタンダードは60MBに、有料のプレミアムは1GBに月の転送量が拡張されました。又、最新バージョンでは無料版のユーザにも添付出来るファイル形式の制限が撤廃されました。
まずはEvernote公式サイトにアクセスしてクライアントソフトを「DOWNLOAD NOW」ボタンからダウンロードします。Evernoteはクライアントソフトのインストールをしなくても公式サイトの右上にある「新規アカウント作成」からアカウントを作っておけばウェブアプリケーションとしても利用出来ますが、クライアントソフト無しでは使えない機能も多い為、ここではクライアントソフトのインストールを前提に説明していきます。
インストールが完了したらまず最初に「無料のEvernoteアカウントを今すぐ作成」から新規アカウントを作成します。アカウントの作成画面が表示されるまで読み込みに少々時間が掛かる場合があります。
アカウントの作成画面ではいくつかの入力欄がありますが、名前は無記入でメールアドレスは適当なもの、存在しないメールアドレスでも登録は出来ます。ユーザーネームとパスワードはサインインに使用するので後で忘れないよう正確に入力しておきます。
初めて起動すると右側のノートパネルにEvernoteにようこそのノートが表示されている筈です。これ自体もノートの一つなのでノート一覧のサムネイルで右クリックして「ノートを削除」から削除出来ます。
何かメモを残しておきたい場合はツールバーにある「新規ノート」からノートを追加して文書の入力や画像をコピーしておきエディタ内で右クリックメニューの「ペースト」からノート内に画像を挿入する事が出来ます。
上部メニューの「ツール」→「オプション」と辿るとEvernoteの設定が出来ます。全般タブでは基本的な動作設定を、同期タブではウェブサーバーに同期した際の通知の有無と自動で同期する時間を、ノートタブではエディタの標準フォントとサイズを、ホットキーではツールの起動や操作のキー設定を、言語タブでは使用する言語をそれぞれ設定していきます。
殆どは標準設定で問題ない筈ですが、エディタのフォントは標準でTahomaになっているので、これはノートタブから見易いフォントとサイズを設定しておいた方がいいでしょう。
作成したノートはタグを付ける事で分類する事が出来ます。例えば気になるウェブページを沢山取り込んでいった場合、PC情報やニュース、スポーツ、お買い得情報といった具合にタグを付けていけば後から左パネルにあるタグからそれぞれカテゴリごとに保存しておいたページを探し出す事が可能。
大量に作成したノートから目的のノートを探す方法はタグ以外に検索を使う方法もあります。自分で入力した文書の他、取り込んだウェブページ内や貼り付けたPDFファイルからも文字列を検索し、それが含まれるノート一覧を表示します。
最初の方で書いたようにEvernoteの使い方は人それぞれなので、正しい使い方というのはありません。一番シンプルな使い方としては覚えておきたい事のメモやToDoといった使い方でしょうが、日記やウェブページのスクラップ帳、スタンダードユーザーではファイル形式に制限がありますがノートにファイルを貼り付けてファイル倉庫としても使えます。PCを長く使っていると細々としたファイルやメモが色々な場所に散乱してしまいがちですが、Evernoteを有効活用して整理してみてはいかがでしょうか。