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Firefox Quantumのカスタマイズ

 更新が滞ってから約3年、最後の更新から約2年間放置していましたが久しぶりの更新になります。今回の記事は以前からずっと書こう書こうと思っていたFirefox Quantumについて。使えなくなったアドオンの代用や設定について自分なりの解決法を下に書いていきます。

Firefox Quantumについて

 Firefoxはバージョン57からFirefox Quantumという名称になり、それまでに大量に公開されていた拡張機能、所謂アドオンが使用出来なくなりました。QuantumからはWebExtensionsという形式のアドオンに変更された事が要因なのですが、Firefox最大の魅力であった数多くの魅力的なアドオンが使えないという状況は多くのユーザを困惑させる結果になったようです。私自身も例外ではなくQuantumへは移行せず長らく旧Firefoxを使い続けたのですが半年ほど前にQuantumへと完全移行しました。

 今でも旧Firefox、又は旧Firefoxのアドオンが使用出来るPale Moon等を使われている方も多いかもしれませんが、Quantumは明らかに旧Firefoxよりもページ表示が高速で快適に動作します。特に楽天やAmazonのようなゴチャゴチャしたページの表示ではその違いは明白です。その魅力と引き換えに残念ながら旧Firefoxで重宝していた幾つかのアドオンは代用になる物が無く諦めました。ここから下では私の旧Firefoxにより近づけたQuantumのカスタマイズ例を記載していきます。

Tab Mix Plusの代用

 旧Firefoxでは肝と言っていいほどの重要なアドオンでしたが同じ作者のアドオンでTab Mix - Linksというアドオンが公開されています。ただこのアドオンはまだ未完成な上にWebExtensionsの制約もあるのかTab Mix Plusのようなタブの挙動を細かく設定する事は出来ません。その解決方法として「about:config」からFirefoxの動作をカスタマイズします。長くFirefoxを使用されている人ならご存知だとは思いますがアドレスバーに「about:config」と入力してエンターキーでFirefoxの動作を細部まで変える事が出来る設定ページが表示されます。

 初めて「about:config」を表示すると「動作保証対象外になります!」の警告文が表示されますが、心配ならプロファイルフォルダをバックアップしておいてから進めて下さい。又、「about:config」のページでは上部に検索バーがあるので、そこに変更したい動作項目の名前を入力する事で該当項目だけ表示させる事が出来ます。殆どの項目は設定値が「true」か「false」になっており、ダブルクリックする事でこれらを切り替えられます。

ブックマークを新しいタブで開く
「browser.tabs.loadBookmarksInTabs」をtrueに
アドレスバーからのページを新しいタブで開く
「browser.urlbar.openintab」をtrueに
検索バーからのページを新しいタブで開く
「browser.search.openintab」をtrueに
リンクを新規タブで開く際は右端で開く
「browser.tabs.insertRelatedAfterCurrent」をfalseに
最後のタブを閉じてもウインドウを閉じない
「bbrowser.tabs.closeWindowWithLastTab」をfalseに

 「検索バーからのページを新しいタブで開く」設定は検索バーにワード入力してエンターキーを押した場合は反映されますが、現状だと検索バーの右矢印のボタンを使うと反映されません。他、新しいタブをアクティブにするのはFirefoxの「オプション」「一般」「リンクを新しいタブで開いた時...」にチェックを入れておくと全て自動でアクティブになります。又、ホーム画面がゴチャゴチャしていますが、空白ページにしたい場合は「オプション」「ホーム」「Firefox ホームコンテンツ」で根こそぎチェックを外しておけばほぼ空白になります。

 余談としてQuantumの初期の方のバージョンでは新規タブでページを開く際、空白ページがあってもそれを無視して新規タブが開かれましたが、ここ最近のバージョンから空白タブがあった場合はそのタブを使用してページが開かれるように修正されています。

FireGesturesの代用

 FireGesturesは旧Firefoxでかなりお世話になったマウスジェスチャアドオンですが、残念ながらQuantum用の後継版が出る事なく消えていきました。このアドオンの代用としてはFoxy GesturesGesturefyが人気なようです。どちらも私が使う範囲では特に優越は感じないのですが、感覚的に合う気がしてFoxy Gesturesの方を使用しています。どちらも右クリックしたままマウスを動かして戻る、進む、ページ最上部移動、最下部移動といった操作が出来ますし、右クリックしたまま左クリックでといった操作にも動作を割り当てる事が出来ます。

 ちょっと残念なのは特定のページではマウスジェスチャが動作しない事。例えばFirefoxの公式ページや空白ページで動作しないのですが厳密にはアドオン全てが動作しないようになっているようです。これはアドオンの作者にはどうする事も出来ないので諦めるしかないでしょう。

NoScriptの代用

 NoScriptはQuantumに対応した後継のNoScript Security Suiteがかなり早い内から公開されているので、これをそのまま使うのも手ですが、設定がかなりゴチャゴチャして使い難くなったのでYesScript2に変更。NoScriptがホワイトリスト型、つまり登録してあるサイトのみスクリプトの実行を許可するのに対してYesScript2はブラックリスト型で登録してあるサイトだけスクリプトの実行を拒否します。最近ではスクリプトを無効にすると見れないサイトも多いのでこれで十分だと感じています。

閉じたタブを戻す

 旧Firefoxで使っていたアドオンが何だったのか失念しましたが、現在はUndo Close Tabを使用しています。動作的には以前に使っていたのとほぼ一緒でボタンを左クリックすると直前に閉じたタブを復元、右クリックすると閉じたタブ一覧が表示され、そこから復元するタブを選んでクリック。似たようなアドオンだとUndo Closed Tabs Buttonがあり、こちらは左クリックで即復元は出来ず一覧表示のみ、殆ど同じ名前のUndo Close Tab Buttonは直前の閉じたタブを復元のみで2つ前や3つ前をメニューから復元は出来ません。

スクリーンショット

 こちらも以前に使っていたアドオンを失念しました。確か以前使っていた物は設定で保存先を登録しておくと自動でそこに保存される仕組みだったのですが、現在使っているPage Saver WE screenshot capture toolは毎回スクリーンショットの保存先を指定する必要があります。その点はちょっと不便になりましたが利用頻度が低いのと画面上のスクリーンショット以外にページ全体をスクロールしてキャプチャ出来る機能があるので代用品としては十分に感じています。

SearchWPの代用

 SearchWPが使えなくなったのが私的に一番痛かったのですが、まだ不完全ではあるもののQuantum対応で近い機能のアドオンが2つあります。その内の一つはisearで、私が探している時はこれを推しているサイトが多かったのですが現在私が使っているのはAfterSearchWE。SearchWPを使っていた頃は必要な時だけ検索ワードをハイライトするという使い方だったのですが、isearだとオフの状態から検索ワードのハイライトまでがかなり手間でオンの状態だと常にハイライトされるので私の好みに合わないんですよね。

 AfterSearchWEは昔あったGoogleツールバーみたく検索後に検索ワードのボタンが自動で作られ、それをクリックするとページ全体の一致するワードがハイライトされ、クリックする度にページ内の一致するワードに移動します。ツールバーのボタンはクリックす度に色が変化しますが無色の状態だと画面下、設定によっては上にマウスを移動すればAfterSearchWEのバーが表示され、青の状態だと常時表示、赤だと表示されません。

(3/26日追記)上でisearが手間で合わなかったと書きましたが現在最新のisearはバージョンアップでの改良によりかなり使いやすくなっていました。オンにしておけば検索後に即ハイライト、オフにしていても必要になったらオンにして即ハイライト、ツールバーのisearボタンからボタン化された検索キーワードを表示してクリックしてページ内検索ができ、以前と比べてかなりユーザインタフェイスがすっきりして殆ど理想通りの動作に。ハイライトされるワードも以前まで固定だったのがユーザ自身で設定出来るようになっているしSearchWPが使えない不満が解消されました。

 他、テキストリンクやRoboForm、Open Withを使っていますが、アドオンの数は旧Firefoxから比べてかなり減りました。All-in-One Sidebarとかはもうどうにもならなさそうなので完全に諦め。それとOpen Withも導入はかなり面倒になっています。

userChrome.jsでアドオンを補完

 Firefoxに機能を拡張する方法は必ずしもアドオンだけではありません。userChrome.jsの導入でアドオンのように機能を増やす事が出来ます。私はブックマーク内のフォルダを開いた時に他に開いているフォルダがあった場合にそれを自動で閉じる動作にしたくて以前までAutoclose Bookmark&History Foldersを使っていたのですが、Quantumでは使えなくなったので代用になるアドオンをずっと探していました。結果、見付からなかったのですが全く同じ事が出来るスクリプトがあり重宝しています。

 そのuserChrome.jsの導入なのですが、Firefoxのバージョンに合った物じゃないと動作しません。現在だとアップローダーで配布されているuserChrome.js導入over62_new.zipが66.0で問題なく動作しています。導入方法はZIP展開後のテキストファイルに記載されていますが、手順としてプロファイルフォルダ内に「chrome」という名前でフォルダを作成、その中に「userChrome.css」「userChrome.js」「userChrome.xml」の3つのファイルを移すだけ。因みにプロファイルフォルダの場所は「C:\Users\ユーザ名\AppData\Roaming\Mozilla\Firefox\Profiles\プロファイルフォルダ名となっています。

 ファイル移動後にFirefoxを起動すると導入完了のメッセージが表示されます。そこから実際にスクリプトを導入するのは同じ「chrome」フォルダ内にファイルを置いておくだけ。スクリプトは色々な箇所で配布されていますが、上で書いたように私が必要としていたAutoclose Bookmark&History Foldersのスクリプト版はAutoCloseBookMarkFolder_Fx37.uc.jsとして配布されています。記載されているテキストをテキストエディタにコピーして文字コードをUTF-8でAutoCloseBookMarkFolder_Fx37.uc.jsの名前で保存。そのファイルをchromeフォルダに置いておくだけでスクリプトの導入完了。

最後に

 まだ私のFirefox Quantumは不完全に感じていますが現状でも実用性はありますし、旧Firefoxのアドオンが使えなくなった事で不便に思う事もたまにありますが、それを差し引いてもQuantumの動作が高速な上に軽快で乗り換えて良かったと思っています。後はAfterSearchWEがもう少し機能的なると旧Firefoxと殆ど使い勝手が変わらなくなると思うのですが、そこは作者様の頑張りに期待して気長に待ちますかね。あまりにも久しぶりの更新で勝手が分からなくなっており、この程度の記事を書くのにも時間が掛かってしまいましたが他にも書きたい事が幾つか溜まっているので少しずつ更新を再開しようと考えています。

フリーソフトナヴィFirefox Quantumのカスタマイズ