しかし実際にUSBメモリに入れて使用出来るソフトには制限がある為、一部の限られたソフトしか持ち運ぶ事は出来ません。そこで、ここではWindowsの環境そのものを持ち運ぶ事が出来るMojoPacを紹介します。
MojoPacは元々シェアウェアでしたが、2007/10/02に無償で使用出来るフリー版のMojoPac Freedomが公開されました。仮想デスクトップという位置付けがされていますが、単なる仮想デスクトップでは無く仮想PCに近い印象。
MojoPacはこんなソフトと説明するのが難しいんですがUSBメモリにインストールした場合、USBメモリ内にWindowsの一部の環境が構築され、MojoPac上でインストールしたソフトウェア等のデータはMojoPac内、つまりUSBメモリ内に作成されます。文章で説明するのは難しいのですが、要はもう一つのWindowsをWindows上で実行するといった感じでしょうか。
前述したように仮想PCに近い印象ですが、仮想PCとは違います。仮想PCは全く違う環境、例えばWindows上でLinuxを動かす事が出来ますがMojoPacはWindows上で一部の環境のみをエミュレートする為、全く違うOSを動かしたりする事は出来ません。逆にOSのインストールCDは必要ありません。現在の所Windows XPのみに対応しています。
公式サイトの下部メニューにある「Download」からページページを移動して「Download MojoPac」からMojoPac Freedomをダウンロードする事が出来ます。
インストールはUSBメモリや外付けHDD等のUSBデバイスで接続するハードウェア、又はiPodにもインストールが可能。インストールした際の容量は70MB程度になる為、それ以上の十分な空き容量を確保しておく必要があります。
インストールした後はUSBに差し込む度に自動で実行される筈ですが、オートランを切っている場合はUSBメモリを開いて中にある「Start.exe」を実行すればMojoPac Freedomが起動します。初期起動時は起ち上がるまで非常に遅いので、かなり待つ必要があります。
起動すると画面上部にバーが表示され真ん中にあるボタンでホスト側に戻る事が可能。MojoPacに戻る際も同様に真ん中にあるボタンをクリックするだけです。
マイコンピュータを開くと通常のWindowsのようにドライブが表示されますが、中身はUSBメモリ内になります。つまりUSBメモリ内にWindowsのデータをエミュレートしている訳で、MojoPacのCドライブにファイルを置くとホスト側に戻った際はUSBメモリ内にそのファイルを見付ける事が出来ます。
実験的にOperaをインストールしてみましたが、MojoPacがWindowsとしてエミューレートするUSBメモリ内に全てのファイルが作成されました。殆どのソフトはMojoPacを通してUSBメモリ内にインストールして実行する事が出来る筈です。
MojoPacの弱点として、全体的な動作は軽快なもののUSBメモリの転送速度が遅いと一部ソフトの動きもぎこちなくなります。又、今の所IMEが使用出来ない為に日本語入力が出来ません。しかしUSBメモリ内にデータを構築して実機のホスト側と違う環境で使用出来る事や余計なデータを残さない事で色々と使い道がありそうです。