現在ではTMPGEncの名の付く製品が多数存在しますが看板ソフトであったTMPGEnc 4.0 XPressの後継のTMPGEnc Video Mastering Works 5が2011年1月に公開され、体験版を触ってみて当時の私には購入意欲がわかなかったのですが、最近になって動画を扱う機会が増えてきた事もあり遂にTMPGEnc Video Mastering Works 5を購入しました。そこでこのページではTMPGEnc Video Mastering Worksの使い方の流れや使用感を書いていこうと思います。
前身に当たるTMPGEnc 4.0 XPressから進化した点として編集機能にタイムラインモードが追加されました。スタート画面では従来のノーマルモードとタイムラインモードを選択出来るようになっていますが、単に操作方法が違うのではなく機能そのものに違いがあり、ノーマルモードでは不要部分のカットやフィルタの追加が出来るのに対しタイムラインモードではカット編集が出来ずタイムラインモード専用のフィルタしか使用出来ません。逆にタイムラインモードではノーマルモードで使用出来ないモザイクフィルタやテロップの挿入、映像に映像を重ねたりBGMの挿入が出来ます。
Video Mastering Worksを起動すると左のスタート画面が表示されるので初めて使用する時は環境設定から出力する際の保存先フォルダやCPU/GPU設定でPCに合った設定に変更しておくといいでしょう。
新規プロジェクトからファイルを入力して編集を開始しますが、上述したようにノーマルモードとタイムラインモードではやれる事が異なるので先に目的に合った方を選択しておく必要があります。
ここでは先にノーマルモードから新規プロジェクトを開始します。Video Mastering Worksはノーマルモードで編集した内容を引き継いでタイムラインモードに移行する事が出来ますが、逆にタイムラインモードからノーマルモードに移行する事は出来ないので両方の機能を使って編集する際は先にノーマルモードから始める必要があります。
新規プロジェクトを開始するとクリップ追加方法の選択画面が表示され既存の動画ファイルやドライブに挿入しているDVD/Blu-rayビデオディスク、DV/HDV機器からのキャプチャ等を選択してクリップを追加出来ます。
「追加ウィザード」や「ファイルを追加」ボタンで複数のクリップを入力して一つのファイルとして保存したり、それぞれを別々に保存する事も出来ます。各クリップはドラッグして並べ替えができ、「トランジション編集」ボタンからクリップが切り替わる際の映像効果を設定する事が出来ます。
「カット編集」ボタンでTMPGEncのメイン機能であるカット編集画面へ移行します。操作方法は上部のプレイヤーで映像を確認しながら下部にあるハサミのボタンの左右の「開始フレームに設定」と「終了フレームに設定」ボタンで削除したい範囲の先頭と末尾を選択。真ん中にある「選択範囲をカット」ボタンで選択範囲が削除されます。
右下にある「編集メニュー」ボタンでは逆に選択してある範囲を残し選択範囲の前後を削除したり選択範囲の解除や編集のリセットが行えます。
他、「クリップ分割点に指定/解除」ボタンで分割点を指定しOKボタンで一つのクリップを複数のクリップに分割する事が出来ます。
カット編集画面の上部にあるボタンからフィルタ画面に移行出来ます。ここで設定出来るフィルタには「インターレース解除」「映像クロップ」「映像ノイズ除去」「輪郭強調」「色調補正」「音声ノイズ除去」「音声ボリューム調整」「映像リサイズ」「スピード」の9種類。
映像ノイズ除去や輪郭強調フィルタの効果が分かりにくい場合は画面左下にある「拡大ツールを表示する」にチェックを入れると別ウインドウで映像を2倍から8倍まで拡大表示する事が出来ます。
カット編集とフィルタ設定が終わりクリップ一覧画面に戻った後は画面上部にある「出力設定」で進むか右サイドメニューの一番下にある「タイムライン編集」ボタンで更に様々な編集を行う事が出来ます。ここでは次のページでタイムライン編集へと進んでいきます。