私が初めてTrue Imageに出会ったのがバージョン6がベースになっていたAcronis TrueImage Personal。当時ソースネクストが1,980円で販売していて後に7か8をベースにしたPersonal 2も同価格で販売されました。
今のPCの状態をバックアップしておき好きな時にその状態に戻せるというシステムイメージバックアップソフトは今でこそParagonやEASEUSといったフリーソフトが存在しますが当時はとても貴重なソフトでした。
上述したようにシステムイメージバックアップソフトはフリーソフトでもいくつか出てきたので、今となってはTrue Imageにお金を払って買うほどの価値があるかは迷う所です。Windows標準の機能にシステムの復元がありますがウイルス感染時には効果が期待出来ないのでこれは別としても、Windows Vistaの一部のエディションと7からはシステムイメージの作成/復元機能を標準で備えているので尚更True Imageを買う理由が少なくなったかもしれません。
True Imageの最大の魅力はシステムバックアップ、復元共に他のソフトと比べて速い所で、有料無料問わずバックアップソフトの中で最速だと思います。下の表ではWindows 7のシステムイメージ作成機能、Paragon Backup & Recovery 2012 Free、Easeus Todo Backup Free 4.0、True Image Home 2012でそれぞれシステムバックアップと復元を行い掛かった時間を計測して纏めてみました。
本来なら実機で計測したかったのですが色々と面倒な事もあるので今回は仮想PCで使用している40GB(使用領域9.3GB)のハードディスクのバックアップ速度を計測しています。容量は作成されたバックアップイメージ全体の容量、ブータブルメディアの△はブータブルメディアからのバックアップ不可、○は可でWindows 7のシステムイメージ作成機能とEASEUSはWindows上からのバックアップ、ParagonとTrue Imageはブータブルメディアからバックアップを行っています。
性能/ソフト | Windows 7 | Paragon | EASEUS | True Image |
バックアップ速度 | 27分 | 5分24秒 | 5分30秒 | 4分30秒 |
復元速度 | 5分 | 8分12秒 | 6分6秒 | 3分25秒 |
容量 | 7.6GB | 4.7GB | 4.7GB | 3.9GB |
ブータブルメディア | △ | ○ | △ | ○ |
バックアップ速度においてはWindows 7のシステムイメージ作成機能が圧倒的に遅いのに対して他の3つは大きな差は出ませんでした。Easeus Todo BackupはWindows上からの作成なので条件的には不利ですが復元は全てブータブルメディアから行っているので復元速度だけを比較してもTrue Imageの圧勝。Paragon、EASEUSはどちらも無料版での計測結果なので多分無いとは思いますが有料版ではもっと良い結果が出るかもしれません。
私がシステムイメージのバックアップ/復元速度以外にTrue Imageで魅力に感じているのがTry&Decide機能。確か2010バージョン辺りから実装された機能でTry&Decideを実行するとPCで行った変更を再起動後に実行前の状態に戻す事が出来ます。例えばTry&Decide実行後、動作をテストしたいソフトをインストールしてみてWindowsの動作に問題が出るような事があればTry&Decide実行前の状態に戻してしまえばいい訳です。
この全てを無かった事にする機能は当サイトで以前からReturnilを紹介していますが、True ImageのTry&Decide機能は再起動時もTry&Decideを維持したままWindowsを起動出来るのでインストール後に一旦再起動が必要なソフトもテストする事が出来ます。
面倒なのを気にしなければシステムバックアップを作っておいて問題が出れば復元という手もありますが、それを面倒と感じる時にTry&Decide機能が役に立ちます。
私がTrue Imageで使う機能はシステムバックアップ、復元、Try&Decideぐらいですが、システムバックアップの他に一般的なファイルバックアップや同期機能も備えています。但しファイルバックアップはそれ専用のソフトの方が使い勝手がいいのでTrue Imageでやる必要はないでしょう。
それ以外にも安全性の高いパーティションを作るAcronisセキュアゾーンやTrue ImageとWindowsのバックアップイメージを相互に変換する機能もあります。
True Imageは以前まで機能制限のある簡易版をソースネクストが低価格で、通常版をプロトン(後にラネクシーに社名変更)が販売していたのですが現在はAcronis社の日本法人が販売しています。ここまで書いてきてこんな事は言いたくないのですが実は買い時は既に終わっています。と言うのも年末にキャンペーンで本家のAcronis社米国サイトでアップグレード版が$19.99でダウンロード販売されていて私はその時に購入しましたが、今ではキャンペーンも終了しています。
アップグレード版は以前のバージョン利用者向けの製品なので新規の購入はどちらにしても高いのですが、買うなら間違いなく米国サイトから購入した方が円高の恩恵もあってお得です。因みにどちらのサイトから購入してもプロダクトキーは共通なので米国版を購入しても日本語版で使用する事が出来ます。