上でも書いたように現在Windows 7はいくつかのエディションに分かれて販売されており、ライセンスの形態も複雑になっています。エディションによる違いは機能差で、上位のエディション程使用出来る機能が多くなっています。またWindows 7からはVistaにあったHome Basicが途上国向けのみの販売に限定され、国内では一部のモバイルPC等の小型PCのみにプリインストールされ販売されているようです。
下ではWindows 7の主要エディションであるHome Premium/Professional/Ultimateの機能差を表に纏めてみました。
エディション/機能 | Home Premium | Professional | Ultimate |
Windows Aero | ○ | ○ | ○ |
Media Center | ○ | ○ | ○ |
DVD メーカー | ○ | ○ | ○ |
イメージバックアップ機能 | ○ | ○ | ○ |
ネットワークバックアップ | × | ○ | ○ |
Windows XP Mode | × | ○ | ○ |
ドメイン参加 | × | ○ | ○ |
ドライブの暗号化機能 | × | × | ○ |
多言語の対応 | × | × | ○ |
Home Premiumが一般ユーザ向けでProfessional以上が企業向けという扱いのようですが、Windows 7の目玉機能であるXP ModeはPremiumでは標準対応していません。
さて、エディション以上に複雑なライセンスですが色々と調べてみても完全な情報を掴む事が出来ませんでした。下では各ライセンスについて私が調べた範囲で分かった事を書きますが正確性には欠けると思うので購入前にはご自信でもよくお確かめ下さい。
■OEM版
直接PCにインストールされた状態で販売され、そのPCに対してライセンスが付与されています。そのPCでのみ使用可能で、他のPCにインストールして使用する事が出来ません。メーカー独自のソフトウェアがインストールされている事が多く、価格はPCの代金に含まれます。
■DSP版
特定のPCパーツとセットで販売されており、そのパーツにライセンスが付与されています。仮にFDD(フロッピーディスクドライブ)とセットで購入した場合はそのFDDを他のPCに接続すればWindowsもそのPCにインストールし直して使用する事が出来ます。価格はセットのパーツによって違いますが標準版と比べて割安で販売されています。
■アップグレード版
旧Windowsに対してライセンスが付与されます。7の場合はVista/XPの全エディションが対象となっており、DSP版とほぼ同額の単体パッケージで販売されています。又、同時使用を除き別のPCにインストールし直して使用する事も出来るようです。
■標準版(パッケージ版)
同時使用を除き、何台でもPCにインストールして使用する事が出来ます。つまり現在使用しているPCを廃棄、又はWindowsをアンインストールした場合、標準版であれば制限を受けずに買い換えたPCにインストールし直して使用する事が可能です。価格はDSP版やアップグレード版と比べて高くなっています。
他、企業向けに複数のPCで使用出来るボリュームライセンスや一家のPCに3台まで使用出来るファミリーパック等も販売されています。
最近一部のソフトウェアで32ビット版や64ビット版という表記を見る事があると思いますが、これはOSの規格でWindows 7/Vista/XPには現在主流となっている32ビット版の他に64ビット版が存在します。32ビット版OSと64ビット版OSの大きな違いとしては管理出来るメモリの容量が32ビット版OSの場合、約3.5GBに対し64ビット版は約128GBまでと言われています。但しこの数値はOSによって差異がありマザーボード自体が対応していなければメモリを認識出来ないので、現在の所は多くても12GB辺りまでが現実的な数値だと思います。
これだけを見ると64ビット版OSの方がメリットが大きいのですが、CPUが64ビットOSに対応している必要がある他、PCの周辺機器も64ビット版対応のドライバが必要にります。一般的なソフトウェアも32ビット版OSで動いていた物が64ビットOSでは正常に動かない場合もあり、デメリットも少なくありません。但し64ビット版Windowsには32ビット用ソフトウェアを動かす為の下位互換機能があるので、今まで使用していたソフトウェアの多くは64ビット版でも動作する筈です。
エディションに関しては用途によって必要なエディションも変わってきますが、XP Modeを特別必要としていなければHome Premiumで充分だと思われます。XP Modeは表向きHome Premiumでは使用出来ない事になっていますが、使用する事は可能です。但しProfessionalとUltimateには仮想PC用のWindows XPライセンスが付属しているので、仮想PCの利用が多い方にはProfessional以上のエディションがいいかもしれません。
ライセンスに関しては後々他のPCでも使用出来て価格の安いDSP版が一番お得に見えますが、Windows 7ではパッケージで販売されているアップグレード版と標準版には32ビット版と64ビット版のインストールディスクがセットになっているので、今は32ビット版を使い将来的に64ビット版にしたい方にお勧めです。但し同一PCであっても32ビット版と64ビット版を一つのライセンスで同時に使用する事は出来ません。現在ソフトウェアは着実に64ビット版への移行が進んでいる事を考えると予算の都合上、DSP版を購入する場合は64ビット版の方がお勧めです。
Windows 7の導入に躊躇されている方の為にMicrosoftはWindows 7 Enterpriseの評価版を無償で配布しています。これは7の体験版のようなものですが全ての機能を使う事ができ、使用期限はインストール後から3ヶ月(正確にはライセンスの認証を行ってから)あります。直接Windows 7に自身で触れて評価する事が出来るので、HDDに空きがある場合や仮想PCを利用されている場合は購入前にインストールしてお試し下さい。
Windows 7 Enterprise 評価版をダウンロードするには下記リンクのページの下部で言語を選択して進み、Windows Liveにログインする必要があります。又、ダウンロードにはJavaのダウンロードマネージャを使用する為、事前にWindows Live IDの取得の他、Javaをインストールしておく必要があります。プロダクトキーの入力は不要で、インストール後にライセンスの認証を行うだけで使用出来ます。